顧客が本当に欲しいものを聴く

「穴とドリル」の寓話を知っている人は読まなくていい

「聴く」のが依頼を受ける側の任務

ある雑貨店に客が来た。店員にこう尋ねた。

客: 「ドリルはありますか」

業務でドリルを使わ無いだろうビジネススーツ姿の客に、店員は続ける。

店員: 「ドリルですか、揃えておりますが 3 万円以上の高価なものしか残っていません」

客: 「うーん、仕方ないですね... ではその中から一番安いものを買わせてください」


この店員は客の話を聴いていない。ただ単に話をそのまま処理しているだけ。客も損だ。

客はなぜドリルが必要なのだろうか。

人の話を聴く店員が対応していたらどうだろうか。


客: 「ドリルはありますか」

店員: 「ドリルですか、揃えております。失礼ながら、なぜドリルが必要なのでしょうか」

客: 「会社に書類がたくさんありまして。ホッチキスでまとめるには一部が厚すぎるので、穴を開け、紐を通してまとめたいんです」

店員: 「なるほど。ちなみに、千枚通しではダメですか」

客: 「千枚通しというものを知らなかったです。その道具を見せてもらえますか」

その後、客は千枚通しを購入する。

客はドリルではなく、それよりは安価で、本当に欲しかった千枚通しを購入できた。

「聴く」ための手段

  • なぜ、で話を持ちかけてきた背景を聴く
    • なぜ、それが必要なのですか
    • なぜ、その案を実現していこうという話になったのでしょうか
  • 具体的に、で相手の想定物を聴く
    • 赤いオブジェクトとは、具体的にどのようなものでしょうか
    • 短めの期間でとは、具体的には 1 週間の期間でしょうか、1 ヶ月ぐらいの期間でしょうか
  • 例えば、で相手の想定物を聴く
    • プライバシー保護用の処理とは、例えばどのようなものでしょうか
    • バッファを持たせておくようにとは、例えば1日ぐらいを見積もっておけば良いでしょうか

つまるところ

すぐにハイというな、ということだ